理事長ご挨拶

理事長近年の急速な人口高齢化の進展は、高齢者を中心とする慢性疾患の累積的増大と介護ニーズの急上昇を招き、単に医療・介護システムの変化のみならず、『2025年問題』として地域社会全体の問題となりつつあります。国は、この6月、医療介護総合推進法(「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」)を設定し、この課題に国を挙げて取り組む体制を整えました。

従来のヘルスケアシステムは、地域の医師不足・偏在問題に代表される諸問題を生じていますが、その対策が長期的なものとなる中、医療・介護の需要はさらに拡大し続ける一方、さらなる少子化の進展、社会保障費の財源不足により地域に投入できる医療・介護の経営資源は限定的とならざるを得ず、各地で地域医療・介護が崩壊の危機に瀕しているのが現状です。
この現状を打破し高齢化社会を支える為には、従来の医療・介護システム、医療と介護の関係では不可能であり、新たなシステムを構築するとともに医療と介護の壁を破りシームレスに多職種協働で地域に提供することが求められています。

従来、我が国の医療・介護システムは、慢性疾患の重症化した患者を来た順に対応するという『セーフティーネット型』で運営されてきましたが、このシステムではもはや高齢者を中心とする地域住民のヘルスケアを守りきれない状況です。慢性疾患の重症化を地域ぐるみで防止して、介護度の上昇を地域ぐるみで防止するには新たな『インフラ型』へのパラダイムシフトが必要です。

高齢者に多い慢性疾患に対しては、慢性疾患の重症化防止・合併症予防を目的に、医療職だけでなく介護職、行政職も含んだ地域総力戦を支えるプラットフォームを構築し地域の慢性疾患全体の見える化を図り、個々人への医療提供を最適化するとともに、それを地域のヘルスケア関係者を糾合する連携体制に醸成することが課題となっています。
同様に介護についても、医療と介護の共通言語の整備・見える化システムの開発、介護医療の適切な介入-早期治療による介護度上昇防止を可能とする一体システム等の開発等が進んでいないのが現状で、今後介護職だけでなく医療職、行政職も含んだ地域総力戦を支えるプラットフォームを構築して各地に地域包括システムを展開することが課題となっています。

現在、地域の医療・介護現場においては、地域ぐるみのネットワークの構築・拡大の試みが展開され始めていますが、医療者間・多職種間の顔の見える関係構築、技術移転教育といった連携の質の向上を図る手法の開発、地域状況に合ったIT網の開発、簡易な検査機器等の開発、広範囲な市民啓蒙手法の開発といった課題も多く、それらのエビデンス確保も必要となっています。
これらの課題は、現場の個々の医療・介護者の努力の積み重ねでは、団塊の世代の第1陣が65歳になる今年2014年から、第3陣が75歳を超える2025年までの間と見込まれる高齢者のヘルスケア問題のピークに間に合わない可能性があります。

当学会は、各地で高齢者を支える地域包括キュア&ケアを、地域ぐるみの連携協働により進めようとするヘルスケア関係者並びに関連企業の英知と知見を結集し、高齢者の医療・介護の重症化予防システムの構築とそれを担う人材の育成を図り、公益の増進に寄与することを目指しています。

本学会の趣旨に一人でも多くの方がご賛同され、学会活動を通じてこの課題解決に向けて共に歩まれることを期待しています。

理事長 平井愛山

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